蒼を追いかけて

長文が書けるようになりたい.

MMD静止画のススメ

はじめに

皆さんMMDやってますか? こんなページ見てる人はMMDの名前くらいはまあ知ってると思いますが,やったことない人は多いと思います.やったことない人はどういう理由でやってないんでしょうか.

  • コンテンツ制作に興味がない
  • なんかモーションとか難しそう
  • CGとか難しそう

この記事は,「興味はあるけどなんか難しそう」って思う人向けに書いてます.興味がない人を引き込むほどのカリスマ性は持ち合わせてないので.ところで,MMDで作れるものって動画だけなんでしょうか? 実際のところ,静止画も作ることができます.静止画ならモーションも必要ないですし,なんか変なところもごまかしやすいです.つまり,MMD静止画は入門にもってこいだということです.

誰のための記事か

上にも書いたんですが,一応明確化しておきます.

  • MMDに興味はあるけど難しそう」って思ってる人
  • MMDに初めて手を出す人
  • MMD静止画に興味がある人

言うまでもないですが,MMDが動かせる環境1が必要です.Macの人とかは諦めてください.

導入

MMDの導入

まずはMMDを導入しなくては話になりません.MMD公式サイト「VPVP」からDLしてください.私はDirectX9 Verを使っていますが,64ビットが今は主流なのかな? たぶん操作は同じです.

インストールはDLしたzipを適当な場所に解凍(今風にいうと展開)するだけです.zipの解凍はたぶんWindowsの機能でできたと思いますが,もしできなかったらLhaplusとか使ってください.

MMEの導入

ところでなんですけど,実はこのままだとあんまりきれいな画像は作れません.

f:id:BugP:20180411183949p:plainこんなかんじ.なんか物足りないですよね.

生のMMD単体だと厳しいので,エフェクトをかけることができるMiku Miku Effect(通称MME)を導入します.MMEはVPVPwikiのページから落としてください.

落としてきたらば,中身を全部mikumikudance.exeがあるフォルダ(さっきMMDを解凍したフォルダ.フォルダ名はMikuMikuDance_v931とかそんなの)にコピーします.

f:id:BugP:20180411185925p:plainこういう風になります.本当は拡張子が.dllのファイルだけでいいんですが,面倒なんで全部コピーしてしまっていいです.

ちなみに,MMEを使うとさっきのはこんな風にできます.f:id:BugP:20180411190509p:plain

素材を探す

モデルを探す

MMDをやるには,MMD本体だけでなくモデルが必要です.モデルはVPVPwikiで探すのが良いです.サイドメニューのDownloadのところにあります.初音ミクとかVOCALOIDの基本的なモデルはMikuMikuDance_v931x64\UserFile\Modelにあります.

エフェクトを探す

MMEにはエフェクトが必要です.VPVPwikiのエフェクトのページがあるので,そこから探すのが楽です.この記事の最後の方に私がよく使うエフェクトを書いておいたので,よかったら参考にしてください.

画像をつくる

MMDを起動する

MMDをやりたければMMDを起動するところから始めなければなりません.mikumikudance.exeをダブルクリックして起動しましょう.

f:id:BugP:20180411192741p:plain こんな感じの画面が開きます.これがMMDの操作画面です.

モデルを読み込む

モデルを読み込まないと,可愛いキャラクタは表示されません.モデルの読み込みは,画面下赤色の「モデル操作」の「読込」ボタンをクリックして行います.左上の「ファイル」からではありません ので気をつけてください.

f:id:BugP:20180411220728p:plain

ちなみに,モデルの拡張子は.pmmか.pmxです.拡張子が.xとかになってるもの(ステージとかアクセサリとかに多い)は画面下黄色の「アクセサリ操作」の「読込」ボタンから読み込んでください.

読み込みはD&Dでもできます.ひょっとしたらそっちのほうが楽かもしれませんね.

ボーンを動かす

モデルにポーズを取らせるには,ボーン を動かします.ボーンは骨と関節みたいなものです.基本的にはボーンの根っこ(丸くなってるとこ)をクリックして(クリックするとボーンが赤くなります)……f:id:BugP:20180411200321p:plain

右下のXYZって表示されてるところをドラッグして動かします.f:id:BugP:20180411200454p:plain

ここにマウスオンするとモデルに赤青緑の線が表示されますが,これはXYZに対応していて,同じ色の線を軸として回転します.(例えば,Xは赤色の線を軸にして回転させます.)

モデルをよく見ると,丸いボーンの根っこと違って四角いマーカーがあることに気づくと思います.

これはIKといい,これを動かすことで脚などを簡単に動かすことができます.操作は右下のXYZですが,真っ直ぐな矢印のアイコンの方を使います.少し試してみましょうか.例えば,このモデルの左足IKをY方向に動かすと……

f:id:BugP:20180411220136p:plainf:id:BugP:20180411220142p:plain

足が上に動き,膝が自動で曲がってくれます.IKについては,このページが詳しいのでこちらも参考にしてください.

このような操作を繰り返して,モデルに好みのポーズを取らせます.

構図を決める

ポーズを決めたら,次はカメラを動かして構図を決めます.カメラを動かすときは,先程モデルを読み込むときに使った「モデル操作」のすぐ上にある「カメラ編」というボタンをクリックします.

カメラ操作は右下のXYZでもできますが,マウスで動かした方が直感的です.右クリックしながらドラッグで角度が動き,ホイールをクリックしながらドラッグで上下方向に動きます.ホイールを動かすと近づいたり遠ざかったりできます.回転だけはXYZのZを使うことが多いです.

画面下青色の「カメラ操作」には「視野角」という項目があります.これは実際のカメラでいうところの「ズーム」にあたり,数字が大きいほうが魚眼レンズっぽく,小さい方が望遠レンズっぽくなります.

f:id:BugP:20180411222240p:plainこれは視野角125で,

f:id:BugP:20180411222307p:plainこれは視野角1です.どちらも同じ距離なのですが,だいぶ違う構図になります.実際はここまで極端な値は使いませんが,少し魚眼寄りにしてダイナミックさを出したりとかはよくやります.

とても注意しなければいけないんですが,カメラ編からモデル編に戻るときは必ず画面左バーの「カメラ」をクリックしてEnterキーを押してください.これをやらないと,カメラの操作が全て消えます.これは後から説明する影や光も同じです.操作したら,操作した項目をクリックしてEnterを押すことを忘れないでください.

照明をいじる

照明の操作は,画面下緑色の「照明操作」から行います.赤青緑で光の色,XYZで光の方向を操作できます.

影をいじる

影は画面下黒色の「セルフ影設定」からいじります.影範囲が大きいほど遠くまで影を描画できますが影が荒くなり,影範囲を小さくすると影が綺麗になりますが遠くの影が描画されなくなります.

f:id:BugP:20180411224039p:plainこれは影範囲が大きく,

f:id:BugP:20180411224106p:plainこれは影範囲が小さいです.下のほうが影はなめらかですが,向かって左のツインテールの上のほうで影が描画されていません.

エフェクトをかける

エフェクトはアクセサリと同様に「アクセサリ操作」の「読込」から読み込みます.エフェクトによっては,右上の「MMEffect」からエフェクト割当の設定をしなければならないものもあります.(Exellent Shadowとか)

大抵の場合,「アクセサリ操作」のSiの項目でエフェクトの強弱を調整できると思いますが,詳しくは各エフェクトのreadmeなどを参照してください.

座標軸を消す

このままだと座標軸や床のグリッドが表示されたままとなります.当然,画像として出力するときにも表示されてしまいます.これを消すには,画面右上の「座標軸ボタン」をクリックします.

f:id:BugP:20180411224746p:plain

画像を保存する

ポーズやエフェクトが完成したら,画面上メニューバーの「ファイル」→「画像ファイルに出力」で画像ファイルとして出力しましょう.結構いろんなフォーマットに対応していますが,拡張子を書き忘れたりフォーマットを指定しそこねたりするとbmp形式で出力されます.


これでMMDで画像を出力することができます.簡単なものなら慣れると数十分程度で作ることができるようになります.皆様も是非良いMMDライフをお過ごしください.

おまけ

外部親について

最近のMMDには外部親という機能があって,これを活用することでアクセサリや大型のステージを扱いやすくすることができます.

外部親とは,ざっくり言えば「モデルのIKを他のモデルに追従させる機能」です.どういうことでしょうか.すぺくたくらさんの下縁メガネを例にとって說明します.

メガネをミクにかけたいです.でも,ポーズ決めてるときに首の角度を変えたら,メガネが置いていかれてしまいます.

f:id:BugP:20180412000551p:plain

こういうとき,外部親を使うことでメガネをミクの顔についていかせることができます.「モデル操作」の「外」ボタンをクリックし,外部親を初音ミクの頭ボーンに設定します.そしてメガネの位置を調整すると,

f:id:BugP:20180412000602p:plainf:id:BugP:20180412000604p:plain

首の角度を変えてもメガネがついてきてくれるようになります.

よく使うエフェクト

私がよく使うエフェクトをいくつか紹介します.

SvDOF

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MMDに実際のカメラのようなボケを入れるエフェクトです.親ボーンを中心としてぼかすので,親ボーンはモデルの頭とかにするといいです.Siでボケの強さを調整できます.

DLはこちらの「Effects」→「SvDOF.zip」から.

Excellent Shadow

f:id:BugP:20180412000632p:plain

影を少しなめらかにします.

エフェクトを使うには,使いたいモデルに画面右上の「MMEffect」→「エフェクト割当」から使いたいモデルに同じフォルダのFull_ES.fxを割り当てる必要があります.

DLはこちらの「Effects」→「ExellentShadow.zip」から.私は無印を使ってますが,たぶん2のほうが強化されてると思います.

SSAO

f:id:BugP:20180412000910p:plain

SSAOをすることができます.いろいろな人が出してるので,こちらのページを参考にしてください.私が使ってるのがどの人のものかは忘れました.

Auto Luminous

f:id:BugP:20180412000642p:plain

対応しているモデルを発光させることができます.Siで光の強さ,Xで光芒の数,Rxで光芒の角度を調整できます.

DLはこちらの「Effects」→「AutoLuminous4.zip」から.


  1. まあたぶんXP以降のWindowsマシンなら動くでしょう.